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【魔女の旅々】アニメ主人公のイレイナはどうして『遡る嘆き』から立ち直ったのか【考察】

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© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

引用元:TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト

 

こんにちは とごー です。
今回は魔女の旅々アニメ12話で主人公のイレイナが9話『遡る嘆き』から立ち直った理を考察(妄想)していきます!

ご存じの通り、粗暴なイレイナは『遡る嘆き』を経験したことで心に傷を負い、あんな感じになっちゃいました。

でも、ほとんど同じ感性をしているはずの「主人公のイレイナ」は立ち直っているのです。

この二人をわけたものは一体何なのか、気になりませんか?

ですので、私とごーなりの考えを記事にまとめました!

 

 

目次[1.原作との違い]は最終話12話だけでなく、他の話の原作ネタバレを含みます。
原作未読者はこの部分をスキップ推奨。(忙しい方も「考察」からご覧ください。)

 

 

 

 

原作との違い

原作の主人公のイレイナは『遡る嘆き』を経験していない。

正直私は「アニメイレイナは『遡る嘆き』を経験した」という改変を入れた理由がわからなかった。

 

例えば11話『二人の弟子』ではイレイナが原作と違い骨董堂の正体を知っていた。

これは『話をわかりやすくするため』ということが目的の改変だと思う。

「この話はニケの冒険譚の正体に焦点あてていきますよ~」という製作陣からのメッセージだ。

原作の流れではイレイナがニケの正体に気が付いた理由というのがわかりにくくなっている。

だからこそ、それを結びつけるための改変だ。

また、『二人の弟子』という長めの話を綺麗に約25分に収めこむためというちょっと大人の事情もあったと思う。

(そもそも、自分はアニメの方が自然な流れだと思うけど、それはまた別のお話)

 

その他にも例の『遡る嘆き』の演出は明らかに原作よりもエグかった。

これはただ単に「アニメ映え」狙いだろう。これも思惑は理解できる。

 

さて、例をいくつかあげたが基本的に改変というのはどれも

  • 派手な演出にして、アニメ映えを狙うため
  • 時間内に収めるため
  • 単純にわかりやすくするため

というメタ的ではあるが原作読者としても明確に改変の意図を感じ取れるものばかりだ。

 

では、12話にあった「主人公イレイナが『遡る嘆き』を経験していた」という改変はどうか。

これで演出がよくなるだろうか?わかりやすくなるだろうか?放送時間的に何か変わるだろうか?

答えは「全てNo」だろう。

だって、粗暴の「お前嘆きの経験あんの?」に対して「ないですよ」って答えているのだから、むしろ原作よりわかりにくくなっている。

原作では「ないですよ」だけで終わっている。「実は経験してました。私の話を聞いてよ」なんてセリフはありません。

だから読者は「あの『遡る嘆き』という話でスポットが当たっていたイレイナとこの話でのスポットが当たっているイレイナは別人なんだな」という答えを導き出せた。

 

では、この改変を入れた理由は何なのだろうか?

まさかあの製作陣が特に意味もなく余計なことはしないだろう。

何か理由はあるはずだ。

 

だからまずは原作勢に向けて一つ改変をした理由をメタ的な観点から2つ言う。

この2つ+自分の本命考察の計3つ全てが自分が導き出した答えだ。

まずは

原作読者に対するサプライズ

だ。

まあ、これはそのままの意味。実際私は「マジか」って驚いたし、みなさんにも驚いたという方はいるだろう。

 

そしてもう一つは

アニメで視聴者が見ていたイレイナを全て同一のイレイナとするため

という理由だ。

こうする理由は特にはわからないが、そういう見方をしている人も多いし、自分もこの意図はあるんじゃないかと思う。

仮にこの意図がなかったにしろ、私は「9話(遡る嘆き)のイレイナ=主人公のイレイナ」というのは確定だと思っている。理由はこの後の本命考察の結論を見ればわかっていただけると思う。

 

ではいよいよこの記事の本題である「なぜアニメ主人公のイレイナは粗暴なイレイナと違い『遡る嘆き』から立ち直れたのか?」を考察する。

 

考察

本命以外の可能性

ここでは本命以外の「こういう可能性もあるのかな?」というものを挙げる。

たまたま粗暴なイレイナの性格がそういうもので、主人公のイレイナのメンタルが強かった。

これは製作陣が「特に深く考えてはいない」というパターンだ。

とはいえ、アホイレイナ達は主人公の原型を留めていないレベルで性格にかなり差がある。だからこそこの結論でも不思議ではない。

でも、和解後の粗暴イレイナの態度を見る限り自分はそこまで主人公イレイナと性格や価値観に差があるようには思えなかった。だからこの可能性は本命以下であると考える。

 

粗暴も実はなんとか耐えていたが、『切り裂き魔』に遭い完全に心が折れた。

主人公はアニメの流れ通り『切り裂き魔』→『遡る嘆き』という順序を踏んだとみるのが妥当だろうが、粗暴は『遡る嘆き』→『切り裂き魔』の順で旅をしていることが確定している。

だからこそ、最後の最後にぷっつんしたという可能性。

だが自分はこの可能性は0に近いと思っている。

12話で粗暴の「元に戻す気力がなかった」というセリフがあることから、『切り裂き魔』に襲われた時点で既に心が完全に折れていたとみるのが妥当だろう。

本当に切り裂き魔にあったからぷっつんしたら「もうどうでもよくなった」とかの表現を用いた方が自然ではないだろうか。

 

この考察が正しいのであれば主人公も粗暴も同じ「切り裂き魔」→「嘆き」の順で経験していたら粗暴は粗暴にならなかったのだろうか?それは考えにくいしだろう。

イレイナが自身の髪に誇りを持ってはいるだろうが、耐えるか粗暴のように暴れまわるかの分かれ道が自分の髪というのはイレイナの表面ではなく奥底にあるなんやかんや悪くはない性格からは考えにくい。

「髪切らられてむかつくから他の自分全員〇す」なんてちょっとね。

 

本命の考察

結論から言うと「サヤのネックレスがあったからである。

では、なぜそう思ったのかの理由を説明しよう。 

 
『あなたの願いを叶える国』には計22人ものイレイナがいた。

ただ主人公のイレイナとその他のイレイナにはたった一つだけ決定的な違いがある。

それが「サヤのネックレスをしているかどうか」だ。

では一体なぜ主人公以外のイレイナは誰一人としてネックレスをしていないのだろうか?

これに対して一番自然な答えは「主人公のイレイナだけがネックレスをもらえた」ではないだろうか。
確かに換金してそうなのもいるし、粗暴なイレイナは自棄になって捨ててもおかしくない。

ただ、それを踏まえた上でも21人もいるイレイナが誰一人として身に着けていないというのは不自然だ。やはり一番自然な結論は主人公のみがもらえたということだと思う。

そしてそんな設定にしたのには何か理由があるはずだ。「全員分ネックレス書くのが面倒」なんて適当な理由で主人公だけしているはずもあるまい。


さて、9話を経験して立ち直れた主人公とそうでない粗暴を分けたのはやはりあのネックレスではないだろうか。

イレイナはサヤに帽子を渡すとき

私の分身をあなたのそばに置かせてください」

と言いながらサヤに帽子を託している。

そうしてそばにイレイナ(の分身)がいるサヤは一人でも様々な困難に立ち向かえ、勇気をもらい、魔女見習いの試験に合格したのだろう。

 

一方でネックレスはどうだろうか
このネックレスを渡したときのサヤの言葉は
僕だと思って大事にしてください!」
である。
これはもはやイレイナの帽子と同じ自分の分身ではないだろうか。

サヤはイレイナの分身によって勇気づけられた。なら、イレイナもサヤの分身によって立ち直る勇気をもらったのではないだろうか?

イレイナは「自分は一人じゃない」と、勇気を貰えたのだろう。

仮に直接的にネックレスが関与しなくとも、間接的にも他のイレイナよりも「一人じゃない」という考えを強く持てる主人公イレイナだからこそ立ち直れたのではないだろうか。

 

まとめ

正直最後の最後がやや無理やり感はあるけど、言いたいことは伝わっただろう。うまくまとめられなかったのは私の考察が悪いのではなく私の文章力が悪いのだ。

 

……という妄想を結構前にTwitterで垂れ流したがさすがはTwitter。すぐに流れてしまう。
だから自分はここでもこの妄想を書き込もう。

サヤはイレイナを救ったのだ

と。

 

この他にも「自分はこう読み取った」みたいなものがあれば是非コメントを残してくれると助かる。