戸郷が語るだけ

思ったことをひたすら文章化して語ってく

神のみのエンディングの喪失感について個人的な感想

 

 

 私の中ではラブコメの最高峰(厳密には唯一読む気が起きたラブコメ)「神のみぞ知るセカイ」。

 

 最初に読んだのは中学生だか高校生だか覚えていないが、大人になって急に読み返したくなったので読み返した。

 しかし、小遣いの中でちまちま単行本を買っていた当時と違い今や1万オーバーの買い物なんてお手の物。大人になるというのはこういうことでもある。

 さて、余談はおいておいて読んだ結果、〇年前同様やはりあのエンディングの何とも言えない喪失感が襲ってきました。

 1巻から最後まで一日で一気読みしたからか、大人になってよりメタ的な意味合いやキャラの感情が理解できるようになったからか。理由はわかりませんがあの時よりもその喪失感は大きいです。

 私の心にはスキマがあいてしまいました。

 数日たっても、何とも言えない心のスキマは埋まらず、わりと冗談抜きで精神状態がヤバいんじゃないかと思うようになりました。

 

 だからこそ、せめて文字に起こして自分の感情を整理しようと思います。

 

 注意:思いっきり原作ラストのネタバレあります。

 

 

 まず前提として、私は以下のように考えている。

 

①メタ的・桂馬的視点からちひろENDは当然の結果であると理解できる

②自分は天理が好きだし、そこが選ばれるべきだと思う。せめて歩美。

③神のみのエンディングは恐らく分類上ハッピーエンドである。少なくともバッドエンドでない。

 

 上記の3点はわりと相性の悪い組み合わせだ。①と②が両立することはないし、③がある以上②の2人の敗北したという事実に対して怒りの逃がしどころがない。

 バッドエンドであればその理不尽に対しての怒りの矛先を作ることが可能だ。しかしそうでない以上はこの喪失感のやり場はない。

 先ほど①と②が両立しないと言ったがこれが両立する組み合わせがある。しかし個人的に「全選択(ハーレム)エンド」と「全不選択(ゲーム回帰含む)エンド」の二つはあり得ないと思っている。だから両立する組み合わせのエンディングはお望みでない。

 

 では「天理エンドなら納得できたのか?」こう言われればこれはこれで間違いな気がするというのもジレンマだ。

 神のみの主人公は桂馬であり、私でない。桂馬という人間を考えればちひろに行きつくのは理屈で考えれば当然である。

 しかしながら読者は桂馬ではなく私である。私という人間から見たら天理以外に行きつくのはありえなく、百歩譲って両親挨拶済みの歩美である。(義理や誠意という言葉を重んじるのであれば天理よりも歩美であるべきな気もするが、どちらにせよちひろではない)

 

 この二つは交わることがない。感情的に考えれば天理にいきついてほしいという結論にしかたどり着かないし、理屈で考えればちひろにしかたどり着かない。考えれば考えるほどこの二つは遠くへと離れていく。

 

 ちなみに、「あくまで最終回の後は本当の神のみぞ知る世界となる。ちひろと別れて天理が真の勝者となる未来もある」とする説もある。

 しかしこれは私の中では神のみのエンディングより気分が悪い。なぜならこうなれば先ほど挙げた③の「バッドエンドでない」が崩壊するからである。

 先ほども言ったが主人公は桂馬である。だとすれば神のみという作品がちひろENDで終わった以上ちひろとの別れは(主人公視点で)バッドエンドである。

 天理が裏主人公的なポジであるという見方もあるが、それでも桂馬が絶対的な主人公である。

 確かに桂馬とちひろが『末永く』幸せな組み合わせかは微妙だしそう考えると10年も想い続けられる天理の方が長期的な目で見れば分がある気もするのだが、それはだめだ。これは感情的にも論理的にもバッドエンドである。

 高校生の恋愛なんてそんなもんやろってのはおいといてね。

 

 以上の事から私の推しである天理(とディアナ)が報われてなおかつ私がすっきりするルートは一つも存在しない。あの手紙にある通り、天理と桂馬の(ハッピー)エンディングは存在しないのである。。。

 

 それにしても、なぜこの物語の最後のセリフはディアナのセリフなのだろうか。これがこの喪失感をさらに加速させていると思う。

 せめて最後に手をつなぐ桂馬とちひろとかならともかく、最後のセリフがディアナでその後はセリフのない一人だけのエルシィと青空である。キツイ。

 

結論

 結論として、この喪失感は「自分の中の論理的な解釈と感情的な解釈があまりにも正面から衝突したことにより起こったものであり、この二つは永久に和解できないものである」ということから長期的にこの心のスキマを維持しているのだろう。

 なんだか文字に起こすことで多少気持ちが軽くなった気がする。今日こそぐっすり眠りたいものだ。

 

 しかし、実際いろんな物語を見たり読んだりしていろんな喪失感を経験してきたが、神のみだけはその他より一段上の喪失感に襲われる気がする。

 天理達よ。俺の知らないセカイで幸せになっていてくれ。

 

 ・・・最後の最後に、これは「感情的に考えたら天理」なんて書いてきた以上書きたくない。認めたくない。

 けど、正直に白状すると「ちひろENDは美しい」って直感的に思っちゃってるんだよね。それもこの感情に繋がっているんだろうなと。

 

余談

 ちなみにだが、最後の最後の天理&ディアナがインパクト強すぎて忘れがちのことで天理はまだディアナがそばいるからいいのだが、エルシィを言葉のままに失ったハクアは天理より数段上の次元でかわいそう。

 記憶が残った天理(やその他女神組)と記憶がないハクア。本人からすれば天理の方がそりゃ辛いんだろうけどね・・・

 

 ちなみにのちなみに、自分は天理推しみたいに書いてきたがディアナが一番好きです(半ギレ)

 しかし天理ディアナ以外だと順位付けが途端に難しくなる。各キャラにそれぞれのよさがあって選べと言われても難しい。

 でもそんな中で一つ抜ける天理ディアナがやっぱりナンバーワンの女神キャラなのである。